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歯周病治療
歯周病は重症にならない限りはっきりした自覚症状がありませんから、自分が歯周病であることになかなか気がつきません。しかし、30歳を過ぎると約80%の人が罹患してます。自覚症状がないからといって放っておかずに、歯周病について適切な検査と処置を受けることをお勧めします。
口内には300~400種類の細菌がいますが、これらの細菌は元々たいして悪玉ではない定住菌(常在菌)です。ところが、この定住菌が歯と歯ぐきの境目のなか(歯肉溝)で活気づいて増殖すると悪玉菌に変身して、歯ぐきの内側に潰瘍を作って、骨を破壊をします。ですから、歯周病治療では口内で増殖した悪玉菌を減少、抑制するプラークコントロールが必要です。実際には、患者さんご自身によるブラッシングと当院のクリーニング(PMTC、スケーリング、SRP)で対応します。
歯周病以外のむし歯治療や失った歯を補う治療に来院される場合でも、治療する歯に歯石が付いていたり、周囲の歯肉が出血しやすかったり腫れていると、正確に歯を削ったり、型を採ったり、接着して詰める妨げになります。ですから、むし歯を詰めたり、被せたり、義歯を作る時にも、基礎的な治療として歯周病治療からとりかかかります。
1. 精密検査
歯周病の重症度と活動性を調べるために、レントゲン写真とプロービングの精密検査が欠かせません。
レントゲン写真では、歯根を支える骨は白く網状に写ります。歯周病で骨がなくなるとこの白い網が消えて黒く写ります。右の写真は左より骨が少なく重症です。
歯周ポケットに挿入した
プローベ
プロービングでは、歯と歯茎の間の「歯周ポケット」という隙間にそっと「プローベ」を入れて、歯茎の内側の潰瘍の有無と歯周ポケットの深さを調べます。ポケットが深いほど骨が少なく重症です
重症度が初期であっても活動性が高ければ、進行に警戒が必要です。逆に活動性が低ければ安心です。歯茎の内側に潰瘍があるとと骨が減るので、このような潰瘍がたくさんあるほど活動性が高いと判ります。実際には歯茎の内側は直接見えないので、ポケットの深さを測る時に血がにじむかどうかで潰瘍の有無を見分けます。
2. 検査結果と治療の説明
レントゲン画像やプロービングの検査値そのものは専門的すぎますので、お一人お一人の検査結果から理解しやすいチャートを作成してお知らせしてます。口腔内写真とレントゲン写真をお見せしながらこのチャートを使って検査結果と治療法を説明します。
3. ブラッシング指導
自己流の歯磨きは効率が悪く、時には歯や歯ぐきを傷つけかねません。磨き残しを確認して歯科衛生士が実際にあなたの歯を磨くPTC(Professional Tooth Cleaning)をして指導しますから、プロの歯ブラシの動かし方や力加減、そして、心地よさを体感して、歯磨きのコツを身につけて下さい。
4. 歯の表面のクリーニング
PMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning)は、回転する軟らかいシリコンに専用ペーストを用いて、ブラッシングではおとせない強固に粘着した歯垢を効率よく確実に除去します。PMTCで歯垢の付いていないお口の爽快さを感じて下さい。
スケーリングには歯石を砕いて水で洗い流す超音波装置を用います。超音波は患者さんが不快でない強さに調整します。
5. 歯周ポケットのクリーニング
歯周病を治療する上で、歯ぐきに隠れて直接見えない歯周ポケットの処置が最も重要です。
歯垢や歯石を取り残さないために、超音波装置に加えてキュレットという手用器具を用います。歯垢と歯石を丁寧にかき上げるようにして取り除き、歯周ポケットの環境を清潔にします。この処置は、専門用語で「スケーリング ルート プレーニング (Scaling Root Planing ; SRP) 」といいます。
6. 治療効果の評価
今までの治療で病状が改善されているかを確認します。治療の前後を写真と検査結果チャートで比較して説明します。
7. 治療後の進行抑制・再発予防
歯の表面と歯周ポケット内から歯垢と歯石のクリーニングを終えたら、歯科衛生士がアドバイスしたブラッシングや食生活を守って、この状態の保つようにして下さい。
でも、実際には、自分でブラッシングして、どうしても磨き残した歯垢が歯ぐきの際に粘着して、たまっていきます。
たまった歯垢は2週間から数ヶ月後には歯石に変化します。歯石になってしまうと、自分でどんなにブラッシングしても絶対にとれません。
さらに放置すると、歯周ポケット内にも歯石が沈着し、その上に歯垢が粘着します。こうなると、歯周病が再発・進行します。
治療後放置
メインテナンス実施
歯周病治療が一旦完了しても、放置していると元のモクアミ。治療効果は帳消しになります。
そこで、歯周ポケット内に歯垢や歯石が再付着する前に歯科衛生士のメインテナンスを受けましょう。
このメインテナンスを継続することが歯周病の発症予防と治療後の再発予防の決め手です。