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執筆者の写真仲田歯科医院

薬用マウスウォッシュで糖尿病改善

 糖尿病は、血液中のブドウ糖(血糖)を一定の範囲に保つように働くホルモンのインスリンが十分に働かないために、血糖が増えてしまう病気です。糖尿病には1型と2型があって、1型は膵臓のインスリンを作る細胞がこわれて、インスリン分泌が減って起こります。このため治療はインスリン注射をします。 2型は遺伝的な体質に、食べすぎ、 運動不足、肥満が加わると起こります。糖尿病の初期の段階では目立った症状がなく気づかないことも多いですが、放っておくと血中の糖(血糖)が細い血管を傷つけて、別の病気=合併症になることがあります。たとえば、眼の網膜の細かい血管が高血糖の悪影響を受けると「網膜症」を起し、視力障害を引き起こして失明することがあります。 また、腎臓の細かい血管が高血糖で壊れると、血中の老廃物を尿に排泄でなくなったり、排泄してはいけないアルブミン(蛋白質の小さなもの)が尿中に漏れ出して「腎症」になります。腎症が進行して尿毒症になると、透析を受けないと生きていけなくなります。さらに、神経が高血糖の影響を受けると神経症を引き起こします。長い神経ほど高血糖の影響を受けやすいので、脊髄から一番離れた場所にある足の感覚が鈍って、やけどや怪我をしやすくなり、しびれや痛みがでます。


 合併症はこのような医科の病気だけでなく、歯科の歯周病が糖尿病の合併症です。実際に、糖尿病になると歯周病におよそ2倍かかりやすくなることが分かっていて、特に1型糖尿病の方では、若い方でも歯周病になりやすいと言われています。また、糖尿病にかかっていると、歯周病がより重症化しやすいことも知られています。糖尿病のコントロールがよくない場合や、罹病期間が長い場合には、歯周病の進行が速く、早期に重症化しやすいと言われています。これには、①歯周病細菌が糖分を好むため、唾液中の糖によって増殖しやすいこと、②白血球や免疫に関わる細胞の機能が低下して免疫力が低下すること、③唾液が減ること、④血液の循環が悪いこと、さらに⑤歯肉の血管がもろくなり傷が治りにくいことなど、様々な理由が関係しています。さらに、歯周病原菌から出る毒素は血液を介して全身に広がって、インスリンの働きを低下させて血糖値を上げると考えられています。


 このように糖尿病と歯周病は互いに悪影響を及ぼして、悪循環に陥りますから、糖尿病の方は歯周病の治療と予防が欠かせません。現在、自覚症状のない方でも、歯周病の状態を検査しましょう。そして、少なくとも年に4回は定期検診とお口のメンテナンスに通院しましょう。


 従来から、糖尿病の方が家庭でできる歯周病対策として以下の4点がありました。

  1. 毎食後、正しい歯磨きをして、定期的に歯科で健診と歯垢と歯石のクリーニング(めいんを受ける

  2. 医師の指示を守って食餌療法と運動療法をして、血糖管理をよくする

  3. 禁煙する

  4. 太らないこと


 これらに加えて、最近、大阪大学の研究で2型糖尿病患者さんがクロルヘキシジン配合マウスウォッシュを用いてうがいすると、歯周ポケットに棲みついている悪性度の高い歯周病菌が減るだけでなく、血糖コントロール状態が改善することがわかりました。


 家庭でマウスウオッシュを使うことは簡単なことですし、これで厄介な医科の合併症のリスクも下げられたら結構なことです。2型糖尿病の方はぜひ試してみてください。この研究で使われたマウスウオッシュは、薬用マウスウォッシュ「コンクールF」で、これをコップのみず50㎖に10滴垂らして、1日3回30秒間うがいを6か月間続けています。「コンクールF」は仲田歯科医院で扱っており、1100円です。


この研究で使われたマウスウオッシュは、薬用マウスウォッシュ「コンクールF」で、これをコップのみず50㎖に10滴垂らして、1日3回30秒間うがいを6か月間続けています。「コンクールF」は仲田歯科医院で扱っており、1100円です。
薬用マウスウオッシュ コンクール


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